「先生、私こんな出っ歯嫌やわ。」

 

新しい入れ歯作製中、完成前に試し入れした義歯を見て83歳の女性患者が仰いました。
義歯も医療器具ですので、いろんな医学的根拠に基づいて形が決まっていくのですが、
やはり審美的な部分は要望が多岐に渡ります。

 

勿論、ご要望には出来るだけ応じていますが、見た目だけ追求するとかえって咬みづらいものになることもあります。
だからといって、こちらの言い分を無条件に受け入れて欲しいとは思いません。
大切なことは、「入れ歯治療」に対して歯科医、歯科スタッフ、技工士だけでなく患者様も参加した、
「入れ歯チーム」となって一緒に問題を解決する意識を常に持つことだと思います。

 

「入れ歯」を作って渡せば終わり、黙って待てば勝手に咬めるようにしてくれる認識、これではチームとは言い難いです。
咬むことのリハビリとしての入れ歯ですので、常に手を差し伸べて助け合って良くしていく必要があります。

 

 

つづく

K&A Dental Clinic 神戸