【院長ブログ】~歯科医Sの四方山話~その15
「先月入れ歯を新調したのですが、どうも上手く咬めません」
他院で作られた上の総義歯を持ってこられた70代の女性。
適合も良く、一見問題無いように見えました。
が、前歯辺りの高さを測ってみると28mm有りました。
上の義歯の前歯辺りの平均的な高さは22mmですので、6mmも高い入れ歯になります。
例えるならいつも「高下駄」履いて歩いてるようなものでしょうか。
あくまでも22mmは平均値ですのでそれよりも低い方もいれば、高い方もいますが
28mmは高過ぎだと思います。
更に低すぎると顔貌に違和感が出たり舌や頬を咬んでしまうなどの弊害も出ます。
一般的に咬み合わせの高さ(「咬合高径」と言いますが)を決めるのが実は結構難しいです。
平均値で決める以外、額や目、鼻や顎の位置で判断したり、
唾液を飲み込んでみたり、発音して貰って決定しています。
ちょっとした咬合高径の違いで使いにくかったり良く咬めたり、出来上がりに差が出てしまいます。
患者様とはじっくりお付き合いしないと適切な咬合高径が判らないことが多々あります。
つづく
K&A Dental Clinic 神戸